【0日目】ご近所への挨拶
日程が決まったら塗装屋さんがご近所への挨拶に回ります。足場組立や高圧洗浄機、電動工具などの騒音は必ず出ますので、挨拶を怠らない様にします。
駐車場がない場合や資材の運搬では必ず家の近くに車を停めるので、ご近所への配慮を怠らない様にします。
【1日目】足場の設置組立
塗装作業をする為には、足場の設置は必ず必要な作業です。ひと昔前の様な、単菅足場や丸太足場は大変危険ですし、足場がしっかりしていなければ、しっかりとした仕事はできません。
現在の戸建塗装の主流は、クサビ足場、一側足場などと呼ばれている連結式の足場になります。住宅が近接している場所でも足場設置は塗装屋又は専門の足場屋さんが施行します。
足場の面積によっても平米単価は変わってきます、小さな面積ならば単価は高く、逆に多ければ割安になります。足場の設置後メッシュシートで、目隠し、塗料や高圧洗浄の飛散防止、騒音軽減の為にシートをかけます。
【2日目】建物の洗浄
外壁を高圧洗浄機で洗浄します。使用する水は自宅から借りる事がほとんどなので、しっかり施主に断わってから使う様にしましょう。外壁の素材によって水圧を調整しながら、チリやホコリ、藻や苔なども除去します。元から付いている塗装も悪くなっている場所は一緒に高圧洗浄して剥がしてします。
汚れが付いている上に幾ら塗装をしても、剥離の原因になるので、しっかりと残らない様に除去します。
家庭用の洗浄機とは違い、高圧の出力が15Mpa程度の物を使って洗浄するのが一般的です(家庭用高圧洗浄機は8~12Mpa程度)。公共工事の学校などは倍の30Mpa以上の機械で洗浄かける様に指示がなされています。
【3日目】養生
塗装用に作られたポリシート、ガムテーム、紙テープなどを使って、塗装する場所としない場所の分別をします。性能が良い物は、乾いた後にポロポロとシートから剥がれず、細かいごみになら無くて済みます。
しっかりピシッと真っ直ぐにシートやテープが貼られていれば、塗装後に剥がした時も真っ直ぐ綺麗に仕上がります。壁によっては、シートがつかない事もあるので、スプレーのりでスプレーしてからする現場もあります。
下準備ですがこちらは大変重要で仕上がりの5割は決まると言われています。養生しないで綺麗に塗るのは、熟練の方でも無理です。
【4日目】下地調整、シーリングの打ち直し
既存塗膜の膨れ剥がれなどの、将来的に問題になりそうな部分は皮スキやスクレーパー、電動工具などで先に剥がして取り除きます。鉄部など、錆が発生してある部分はヤスリやグラインダーなどを使って良く取り除きます。鉄部を磨いたりした場合は、鉄汚染に注意します。
ガルバリウム鋼板などはもらいサビをしてしまうと、一気に錆びる為、鉄粉の粉などがついたならば、再度掃除が必要になります。
目地部など、ひび割れたシーリングがある様であれば、撤去して打ち直しになります。裂けたり別れたりしているシーリングの上に増し打ちをしても結局は既存の物と別れてしまうので、できるだけ撤去して打ち直しした方が良いです。勿論劣化が少なければ増し打ちで十分な物件もあります。
【5日目】塗装下塗り
下地の外壁など、良く乾燥している事を確認してから塗装に入ります。湿度が極端に高い時や、降雨時、強風の時は塗装はしません。綺麗に仕上がった様に見えても、後から膨れや剥がれの原因になるからです。
下塗りは塗装の密着性を高める為に塗る必要性と、上塗りをかけた時に綺麗に見映えする為に必要性と2種類あります。鉄部には錆止めプライマー、錆び無い他の建材にはシーラーやフィラーなどの下地の材料に合ったものを適量塗装します。
【6日目】中塗、上塗
前日の塗装の乾き具合をチエックして、しっかり乾燥している場合には次の工程に移ります。気温や気候,湿度などによって、厚塗りしてある所や、乾燥時間が長い材料などは、まだ乾燥して無い場合もあるので注意します。表面だけでなく、しっかり中まで固まらなければなりません。
乾燥が4時間程度のものならば、朝と夕方と1日で仕上げまで持って行けますが、生乾きでの塗り重ねは、縮れや膨れの原因になるので乾燥時間を再度取るなどして次の工程には移りません。
なぜ2回塗らなければいけないかと言うと、上手に塗って綺麗に見える面でも、とても小さなピンホールと言われる穴があいています。ピンホールのある中塗りの上にもう一度塗れば、ピンホール同士が重なることは殆どありません。
1回塗りだけでは、ピンホールからすぐ下地ですが、2回塗ってあれば間に必ずと言えるほど中塗りが来るからです。1回塗りで2回塗り分の量を付ける事は可能な塗料もありますが、しっかり塗り回数が必要なのはそういうわけです。
【7日目】養生片付け、塗装の確認、清掃
全て塗り終わったなら、乾燥状態の確認と養生の片付けに入ります。塗り残しや、はみ出ているところはないか、塗料がこぼれているならば、拭いて掃除します。
水性塗料の場合は、塗装自体が柔らかい事が多く、塗装の境目とテープを剥がす時に、テープ側に付いてきたりする事があるので、心配な所は表面だけ軽くカッターなどを入れてから引っ張って剥がします。
全て片付けが終わってから、お客様と確認作業にはいります。注文した塗料が正確に使われているか。使用量は適正であったか。綺麗に仕上がっているか。全て大丈夫なら、次の日に足場の解体に入ります。
【8日目】足場撤去、見回り、引渡し
初日に組んだ逆の手順で足場を解体します。組む時も早いですが、解体の時はもっと早いです。
足場も全て解体した後に、最終チェックとして、現場全てと足場で隠れていた部分にゴミが落ちていないかなどの確認をします。
全て確認したならば、お客様に挨拶をして塗装終了となります。お客様との最終チェックでは、塗り残しや汚れ、模様違い、それと外壁の周りの花壇やエアコン室外機など、外壁の場所の他も注意して見て回ります。