塗装工事に欠かせないのが足場になります。平屋の場合は、脚立やハシゴを駆使して塗装できますが、二階建ての場合はそうは行きません。
足場の良し悪しで塗装のできも変わってきますので、しっかりと作業できるような足場を紹介します。
(当サイトは、現役の塗料屋さんに記事を書いてもらっています。)
足場の平米単価(価格相場)を教えてください。
足場の費用として、一般的には㎡単価500円~700円程度の所が多い様ですが、その他に飛散防止用のネットを張ったりするのでそれは別途でかかる業者が多いようです。
足場費用が明らかに高く、平米単価が1000円を超えている様ならば注意が必要です。内訳に、ネット代が入っている場合や極端に小さい平米の場合は平均より高額になりますが、それ以外の場合は高すぎるので注意しましょう。
1階建て、2階、3階で足場の設置料金は変わりますか。
平屋建てだとしても足場は、基本的には必要です。なぜならば、しっかりと塗布量を壁につけるには手間がかかる為で、表面に色が付いていれば良いと言うレベルであれば、上から下まで伸ばせばいいのですから。
ほんの少しだけと言うのならば必要ないとは思いますが、しっかりと綺麗に仕上げるならば、しっかりとした足場は必要になります。費用的には、平屋も二階建てもほぼ同じ程度(㎡単価500~700円)でやる所が多く、三階建ての場合は平米あたり、プラス100円といった業者さんが多い様です。
足場代が高くなる事例を教えてください。
総二階建ての建物ならば、下から上まで真っ直ぐ持って行けますが、変則的な形をしていたり、屋根で言えば急勾配になっている場合など、追加で足場が必要になる場合もあります。
屋根足場は平米あたり、三階建てと同程度の金額がかかる事もあり、思ったより高額になる事もある事は覚えておきましょう。
足場費用は、雨で工期が遅れたとしても追加で請求される事は殆どありません。しかし、途中からの色変更、仕様変更などで、施主が原因での工期延長での場合は、期間によっては追加になる事もあります。
他にも傾斜地に建物が建っていたり、近くまで車で資材を搬入できなかったりすると、人件費がかかり割高になります。また、足場材の搬入に道路を占有するなどして、交通誘導を頼んだりする時は別途費用がかかってきます。
足場の設置方法に違いはありますか。
足場の種類で、最近良く使われるのが、呼び名は色々ありますがクサビ足場とか、ビケ足場と呼ばれているタイプのハンマーでカンカンと連結させて組み立てる足場になります。地域などによって色々な呼び名はありますが、同じものになります。
単菅や足場のブラケットにクサビが掛けられる穴やクサビ型の突起が溶接してあり、上から差し込む形で叩き込んで刺して組み上げていきます。この足場は低~中層の建物で良く使われていて、戸建塗装ではメイン足場になります。
枠組み足場は、中~高層の建物に使われ、四角く枠にでき上がった足場をブロックの様に積み上げ式で連結させながら作って行きます。
単菅ブラケット足場は低層の建物などで、足場も狭い為に高い建物には向きません。単菅を十字に組んでいき、そこにブラケットを渡した足場になっています。
ブラケットは足場の鋼板で、単菅に載せれるように鉤爪の様な突起が四隅に付いているのが多いです。
クサビ足場と違って単管で組上げる足場は、組立に叩いたりする必要が無く、それなりに静かに組み立てられるので騒音にうるさい住宅街でも良く使われています。
足場は誰が設置しますか。足場専門の人?
足場を持っている塗装屋さんなら、自分の所でするのでしょうが、個人の塗装屋さんでは殆ど持っていないでしょう。また、重量も有るので専門の足場職人さんにお願いするのが一般的です。
足場の良し悪しで塗装のできも変わってきますので、素人が組んだ様な足場で作業してもらわない様にしたいです。
設置・撤去時間はどの位ですか。
人数にもよるので、どの位とは言いにくいのですが、通常のビケ足場であれば、設置なら四時間程度で完成すると思います。撤去の方はバラすだけなので、三時間程度で終わります。
設置、撤去共にクサビを刺すのと外すのでカンカン叩くので早朝深夜の作業はしません。それでも足場専門の職人さんで、1日3棟の足場を組む強者の業者さんもいます。
足場の種類によっても設置、撤去時間は変わりますのであくまで目安としては半日あれば終わるでしょう。人数が少なかったり、近場まで車が入れないなどのときは、設置するのに一日かけてしまう現場もあります。
足場を組むなら屋根も塗装した方が良いですか。
外壁塗装で足場を組む場合にかかる費用と、屋根塗装で足場を組む費用はそれほど変わらないので、一緒に塗装したほうがお得になります。
単純に外壁塗装の足場費用で20万円かかるとしたら、後で屋根だけするとしても、また20万円かかります。一度に終わしてしまえば、その分の経費がかからないのでついでにするのが賢いと思います。
足場が設置できない事はありますか。
隣の家とあまりにも隣接しているために、足場がかけれない場合があります。また、隣の敷地にまたがって足場をかける必要がある時に、許可を得られない場合も稀にですがあります。
そのような時は、ハシゴや長柄を付けたローラーなどで塗装をしたりするのですが、足場と違って塗装に時間がかかる為、少し割高になる事もあります。
足場設置には、外壁と塀の間に何センチ空間が必要ですか。
足場にもよるのですが、単菅足場ならば40センチ程度有れば組む事ができますが、ビケ足場などは90センチ程度必要になります。
また、足場を壁にくっ付けてしまうと、逆に足場の隙間が塗れなくなるので、予め離して設置するのが通常です。
場合によっては隣接した他の御宅の敷地に設置する必要が生じるので、しっかりと了解を得る事が必要になります。その場合は塗装屋さんが挨拶に回りますが、施主の方も挨拶に伺った方が後々問題が少ないです。
足場を組まずに塗装する方法はありますか
一つはローラーに長柄の2メートル近くある物を付け足しての塗装になります。
他には脚立やハシゴ、最近ではゴンドラ工法と言って、高層ビルで使用する様な宙吊りになって塗装する業者さんもいる様です。
実際にゴンドラは使いませんが、ロープにぶら下がり塗装して行く工法ですが、足場と工期を浮かせる為だけにある様な物ではっきり言っておすすめしません。ぶら下がった状態での塗装はしっかりとできるでしょうか。
費用的には少ないかとは思いますが、足場を組めないなどの制約がある時以外はやらない方が良いでしょう。
これだけは知っておきたい基礎知識