外壁のちょっと気になるこの症状!塗り替えの必要あり?なし?
外壁材によって、劣化症状や塗装時期などが異なります。こちらのページでは、外壁材別で劣化症状に合わせて塗装時期の目安を紹介したいと思います。
今回も現役の塗料屋さんに詳しく解説をしていただきました。ぜひ参考にしてみてください。↓
外壁の塗装時期 |
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塗装屋さんは聞いてくる事はほとんど無いですが、個人のお客さんからはどの程度で塗り替えした方が良いかと言った質問を良く受けます。
材質やどういった塗装がされているかの他にも、どういった環境におかれているか、などにより、塗り替えのタイミングも変わりますので、そこも覚えておきたいポイントです。
金属系サイディングボードの塗装時期(10~15年)
金属系と言っても鉄だったり、今流行りのガルバリウム鋼板だったりと様々ですが、見た目に何も変化が見られず、赤錆や白錆も出ていなくて、艶がしっかりと残っていたり手でこすってみても何もつかない様で有れば、塗装の必要はありません。
錆が出ていなくても、手で触って粉状の物がつく様で有れば、チョーキングしていると言うことで、そろそろ塗装の準備をした方が良いです。
早目に塗り替えをする事によって、錆の発生を防げますし、何よりサビ落としの費用がかかりません。そして塗り替えた後の錆の発生は遅いです。
(築10年・金属サイディングボード)
もし、部分的にでも錆が出ている場合は、すぐに塗装する準備が必要です。一回出た錆は放っておいても消えることはありませんし、逆に錆の進行は一気に早まるのです。
表面的な錆の場合は、しっかり落として錆止めと上塗りをかける事により進行を食い止める事はできますが、時間が経ってしまって、鉄の中まで食い込むと表面を削っただけでは落とせなくなります。
(築28年・金属サイディングボード)
そしていつの間にか穴があいてしまって塗装ではどうにも成らなくなってしまったら、交換の必要があります。
交換となると費用的にも高額になってしまったり、同じ部材が製造していない為に、違う物を張って再度塗装などになる事もあります。
【塗装に最適な時期】・・・外壁を触ると手に粉状のものが付く(チョーキング)
【即塗装すべき時期】・・・外壁にサビが出始めている
【交換が必要な時期】・・・外壁に穴が空いてしまった場合
窯業系サイディングボードの塗装時期(7~8年)
窯業系サイディングボードは鉄では無いので錆びる事はありません。ですが、メンテナンスにお金がかからないかと言えばそれはありません。
一般的な窯業系サイディングボードならば、ボードの表面に塗装をして有る物が殆どですので、期間が過ぎれば再塗装の必要が出てきます。
最近は、サイディングボード自体の塗装の種類が多くあり、その中でも難付着サイディングと呼ばれている、光触媒や無機塗装、コーティング仕上げになっているサイディングボードは通常の下塗り材では対応できない事が有るので注意しましょう。
外壁の表面を触って手に粉が付かないかどうか
窯業系サイディングボードの塗装時期ですが、表面を触ってみて手に粉が付かないか確認してみましょう。
塗装の艶もしっかりあり、粉が付かない様ならまだ塗装の必要は無いかと思います。
最近の外壁は、艶消し塗装の仕上げが使われる事も多く、艶の状態で判断はなかなか難しいです。
自宅の外壁が艶ありの塗装で、新築の時にピカピカ艶があって、それが無くなっていると言うのであればそれも塗り替えを考えるタイミングですし、手でこすってみて軽く白くなる様なら、塗り替えを考え始めて良いタイミングです。
このチョーキングと言う現象は樹脂同士の結合が紫外線によって切れたために、ブチブチに切れた樹脂の細切れた塗膜が手について来てしまうのです。
手が真っ白になる様なら、即塗装が必要な時期に差し掛かっています。
雨風などにより、チョーキングとして塗装がどんどん剥がれて行って、最後には地肌が出てしまいます。
そうすると、雨などの水分を躯体が吸い込んでしまい、余計に腐食が進みます。
窯業系サイディングボードは腐食が進むと、ボソボソした厚紙みたいに成り、そして剥がれて来ます。
一度ボソボソした状態に成ってしまうと、下塗り材ではどうしようもなくなります。
この状態にしてしまうと、交換の必要が出てくるので、金額的にも高く成ってしまいます。
【塗装に最適な時期】・・・外壁を触ると手に粉状のものが付く(チョーキング)
【即塗装すべき時期】・・・外壁を触ると手が真っ白になる
【交換が必要な時期】・・・地肌が出て腐食が進んで剥がれてきた場合
樹脂系サイディングボードの塗装時期(10~20年)
樹脂系サイディングボードは殆ど見たことも聞いたことも無い人が多いのでは無いでしょうか。
日本で5%未満の普及率のこのサイディングは、海外では大変普及しています。
樹脂自体に着色して有るので、塗装が禿げたりする事もありません。
施工費用的には高くなりますが、費用対効果は高い商品です。日本の様な密集地には耐火の面で普及が進んでいないこともあります。
最近ではリフォームでサイディングの上に貼る業者さんも多い様で、これから増えてくるのでは無いでしょうか。
外壁塗装のタイミングとしては、塗料メーカーさんも、余り実績が無い様で、これと言った返事は貰えなかったのが本音です。
色の退色は樹脂サイディングメーカーでも言っている通り、軒下や樹木等によって日影とに分かれる所は謙虚に出るかも知れません。
特に濃い色だと色の変化は大きくなります。そういった色の退色が出て来たあたりで塗り替えるのが良いのでは無いでしょうか。
樹脂サイディングが物理的に硬くなり、弾力が無くなった状態に成った時は張替えになります。
【塗装に最適な時期】・・・色の退色が出てきた
【交換が必要な時期】・・・外壁が硬くなり弾力が無くなった場合
モルタル外壁の塗装時期(8~10年)
一般的なモルタルの外装の上には、リシンと言われる小さい石が吹き付けて有る物や、コテでならして有る物が多いです。
そして新築時の塗装は、硬く弾性を持った物を塗装することは余りありません。
耐久的にも、筑後10年以内で塗り替える人が多いのですが、どういったタイミングで塗り替えてるのでしょう。
触ってみてボロボロ落ちなく、外壁にヒビや割れなどが入っていなければ、まだまだ塗り替えは先で良いです。
もし軽くボロボロ落ちて来る様で有れば、そろそろ塗り替えを考えた方が良いです。
髪の毛幅以上のヒビや割れが入っていないか
そして、ヘアークラックと言われる髪の毛幅以上のヒビや割れが入っていたりしたら、外壁塗装を考えるタイミングです。
このヒビは段々大きく成って来ると、そこから水が入って来るので、中まで染みて来たりする事があります。
そう成ってしまったら、すぐにでも塗装で水が入らない様にしなければなりません。
そして費用もかさむので、クラックが大きくなる前に処理してしまいましょう。
【塗装に最適な時期】・・・髪の毛幅以上のヒビや割れが入りボロボロ落ち始めている
【即塗装すべき時期】・・・ヒビが大きくなり中に水が染み込み始めている
ALCボードの塗装時期(8~10年)
ALCボードとは、軽量気泡コンクリートと言うボードですが、空気の層を含んだボードなので、中に金網を入れて丈夫さを作っています。
ボード自体は、軽石の様なスカスカの物なので、最初にボードを貼った時にはボードの表面の巣穴をしっかり埋めて塗装する必要があります。
また、ボード自体は水を吸いやすいので、表面の塗膜でしっかりと水が入ってこない様にしておかなければなりません。
ALCボードは、塗装がしっかりしてて、コーキングなどもしっかりしていれば、塗り替えはまだ先で良いと思います。
もし表面が粉を吹いた状態、チョーキングを起こしていたり、少しはげて来たら、塗装を考えた方が良いでしょう。
ALCボードは軽石状なので、大変水を吸いやすいので、表面の塗膜やコーキングがダメだと、内部の金網が錆びて、爆裂と言われる中から爆発した様にボードが割れたり、ヒビが入ってしまいます。
こうなると、ボード自体の交換が必要になるので塗装と交換の費用が必要になり高額になります。
【塗装に最適な時期】・・・外壁を触ると手に粉状のものが付く(チョーキング)
【即塗装すべき時期】・・・外壁を触ると手が真っ白になる
【交換が必要な時期】・・・爆発した様にボードが割れたりヒビが入った状態
コンクリート壁の塗装時期(15~20年)
基本的に、コンクリートとモルタル壁は同じ様な感じでとらえてもらっても良いです。ひび割れや欠けなどが無ければ、塗り替えはもう少し先で良いですし、小さなひび割れが入って来たら、塗り替えを考えてみても良いです。
コンクリートはアルカリ性ですが、塩分や時間の経過で中性化して来ます。アルカリに囲まれているうちは鉄は錆びませんが、ひび割れが鉄筋付近までたどり着くと錆び始めます。そうすると、中の鉄筋が錆びてコンクリートを押し出す形で内部から爆発する様にコンクリートが割れ始めます。
ここまで来てしまうと、内部の鉄筋までコンクリートを削っての作業に成ってしまうので、ヘアークラックの状態でできるだけ止める様にしたいのです。
【塗装に最適な時期】・・・小さなひび割れが入ってきた状態(ヘアークラック)
【即塗装すべき時期】・・・中の鉄筋が錆びてコンクリートが割れ始めている
トタン張りの塗装時期(10~15年)
最近は、サイディングに変わって行ってなかなか新築物件では使うことが少なくなったトタン張りですが、家の一部分だったり、物置や車庫だったりとまだまだ現役のトタン板です。
金属に亜鉛メッキを施した物や、軟鋼板に塗装した物などですが、やはり鉄なので錆が出ます。表面の塗装がしっかりしていて、錆が出ていなければ塗装の必要はありません。
白サビや赤錆がポツポツと出始めていないか
白サビや赤錆などがポツポツと出始めているならば、塗装を考えるタイミングです。錆の発生が少なければ、その分錆を落としやすいので、塗り替えの費用も安くできます。
この状態で長く放置すると、錆が進行して板を貫通しますので、そうなる前に塗装をした方が良いです。トタン板は鉄の厚さも厚く無いので、簡単に穴が空いてしまいます。錆が出始めたら、早めのタイミングで塗り替えを考えましょう。
【塗装に最適な時期】・・・白サビや赤錆などがポツポツ出始めている
【即塗装すべき時期】・・・白サビや赤錆を長期放置した状態
【交換が必要な時期】・・・錆が進行して板を貫通した状態
羽目板張りの塗装時期(3~5年)
日本家屋には羽目板張りの外壁はやはり似合います。サイディングにも羽目板のデザインをした物などが有る様に、根強い人気の羽目板です。良く新築で使われているのは、杉板を塗装した物が多く、木目を生かす様に浸透性のオイルステインで塗られてる物件が多いです。
一般的な塗膜を作る塗装と違って、浸透させるステイン系の塗料の為、色が綺麗に残っているならば、塗り替えはまだ大丈夫です。
塗装が剥げて木の色に戻っていないか
西面や南面などの、雨風、紫外線が良く当たる場所は1番塗装に厳しいのですが、その面の塗装がハゲて木の色に戻ってきたら全面の塗装を考えましょう。新しい新築の物件の場合は、木材も枯れすぎていないので、有る程度しか吸いませんが、外壁の羽目板が枯れて来ると物凄く塗料を吸う様になります。
全面の色がまだ濃く残っている場合は、まだ塗装をする必要はありません。全体的に色が褪せてきて、薄く成って来たら、塗装を考えるタイミングです。早目に塗装をしておけば、塗料を使う量も有る程度抑えることができます。
逆に全面の色が無くなり、触るとフワフワして来ると、節目の部分を残して木が痩せてきます。この場合は、できるだけ早く塗装をした方が良いです。
このままの状態を続けると、木材は雨などの水分を吸いやすく、腐りやすいからです。
どの様な外壁でも、雨風と紫外線の影響を受けやすい場所は、影響を受けない場所と比べて早く塗り替えタイミングが来ます。
15年持つと言われる塗料を使っていても、場所によっては半分程度に耐久性が落ちる場合も有るので、痛みやすい場所を見つけて、塗り替えタイミングを逃さない様にしましょう。
【塗装に最適な時期】・・・塗装が剥げて木の色に戻ってきた状態
【即塗装すべき時期】・・・色が無くなり、触るとふわふわしてきた状態
【交換が必要な時期】・・・地肌が出て腐食が進んで剥がれてきた場合