数あるサイディングボードの種類の中でも、1番多く使われているのは、この窯業系(ようぎょうけい)サイディングボードです。石膏やセメントなどを固めて作った物で、断熱性もあり現在の主流になっています。
昔は木材チップなども、入れて生産されていました。価格的にも安く、多彩模様と言われるデザインで色々凝った模様やパターンを表現する事ができるので最近では1番多く使われています。
その中でも表面にシリコン塗装してある物で、汚れにくい機能が付いたサイディングボードが標準品になってきています。
窯業系サイディングボードの劣化症状と欠点
窯業系サイディングボードの塗装時期は、7~8年と言われていますが、主な劣化原因としては、やはり紫外線によるチョーキングや凍害、ボードの曲がりなどがあります。
チョーキングとは、紫外線によって樹脂の結び付きが壊されることにより起こります。樹脂同士の結合が紫外線によって切れてしまい、バラバラになった状態です。
手で触ると白い粉状のものが手に付く場合は、『その表面の塗装は劣化している、チョーキングしている』と言えるでしょう。
この状態だと、表面からどんどん塗装が落ちていってしまっている状態なので、時間とともに塗ってある面がなくなってしまいます。
剥き出しのボードは水も多く吸ってしまい、フワフワの綿状に変化してしまったら、もう交換しかできません。
サイディングボードは生き物ではありませんが、呼吸をしています。空気や水蒸気をボードの中を行き来しています。そして、熱によってわずかながら膨張収縮も繰り返しています。その為、目地や窓回りなどのコーキング部分が劣化してくると、そこから水が廻りその結果としてサイディングボードも影響を受けます。
水を多く吸った状態のサイディングボードが凍ると、水分の固化により体積が増える為、ボード内面から破壊されてしまいます。
凍害で痛んでしまう場合は表面の塗装の問題ではなく、後ろ側からの水周りによる問題かもしれません。塗装しなおしたのに、また翌年同じ症状が出てしまった、この様な症状の時は疑ってみてはいかがでしょうか。
窯業系サイディングボードにおすすめの塗料
それでは、窯業系サイディングボードへの塗装の場合はどの様な塗料が良いのかと言うと、今の状態の模様にもよりますが、せっかく綺麗な多彩模様なので、それを生かした塗替えがしたいという場合は、ウレタン樹脂またはシリコン樹脂のクリヤー塗装をおすすめします。
どちらの樹脂塗料も、塗った面は少し濡れ色になるので、イメージが湧かない場合は晴れた日に外壁に水を付けて見ると良いでしょう。
ただ、表面があまりにも劣化している場合は、塗装をした中から白くなってきたりと、劣化が止まらないので、基本的にクリヤー塗装は新しい状態から10年以内の、できるだけ傷んでいない状態で塗装することをおすすめします。
塗料を作っているメーカーも、窯業系サイディングの塗装の割合が増えてきているので、その塗替え需要に合わせてサイディング用のクリヤー塗料を出してきているメーカーがとても増えてえてきました。
窯業系の多彩模様の為に作られた外壁用専用クリヤーの商品がありますので、綺麗な模様を残して、新築の輝きを取り戻したいと言う場合はこちらをおすすめします。
窯業系の単色サイディングの場合は、低汚染タイプと言われる汚れにくい塗料や紫外線に対して強い艶引けしにくい塗料などが販売されています。共にウレタン樹脂やシリコン樹脂の塗料がコストパフォーマンスに優れた商品です。
新築の時の様なピカピカの艶がある塗装の他にも、しっとりと落ち着いた感じが有る艶消しや半艶塗装で塗装している店舗や戸建が最近は増えてきています。どのような塗装、塗料を使うかは、話や持ち、色の配色などいろいろ聞いて見るのが良いと思います。