前回は、難付着サイディングについて塗料屋さんに教えてもらいましたが、今回は難付着サイディング対応の下塗り材について教えてもらいたいと思います。
難付着サイディングの下塗り材の仕組み
難付着サイディングの場合、今までの下塗り材では、エポキシ樹脂の有機物の力で強靭に付着させるタイプの2液型エポキシシーラーが、押出成型セメント板などの、下塗りが付着しにくい外壁には必ずと言っていいほど指定になっていました。
最近のサイディングには、焼き付け塗装や、特殊な加工がしてある物も多く、有機または無機のコーティングがなされている物も増えてきたのです。
難付着対応の下塗り材では、有機成分と無機成分の両方を併せ持ったハイブリッドタイプの物が各メーカーより発売されており、二つの成分性能を持たせたことで、有機の下地には有機の成分が、無機の下地には無機の成分が付着して、くさびのように下地に浸透することで、抜群の密着力を発揮することができます。
下塗り材はどこのメーカー(下塗り材名)が出している?違いはある?
難付着サイディング用の下塗り材は最近は多くのメーカーで新しく発売して来るなど、力を入れてきています。
代表的なメーカーで言えば、日本ペイントのファインパーフェクトシーラー、エスケー科研のエスケーハイブリッドシーラーEPO、菊水科学工業のKSスーパーパワーシーラー極などですが、他にも各塗料メーカーで開発、販売しています。
そして各メーカーとも、無機塗装、有機塗装、そして光触媒塗装に対応と言って販売展開していますが、カタログ等説明を見ただけでは性能の違いは確認はできませんが、外壁の状態によって、光沢が残っていてきれいな面の場合は目荒らしをしてください等と書いてあるメーカーもあったり、表面の活性状態に変わらず使用できます、と書いてあるメーカーもあるので、塗装しようとしている外壁の状態で使えるのか、確認したほうが良いです。
下塗り材を使用するメリット(良い点)
- ほぼ全ての難付着サイディングに対応しているなど、幅広い下地適応性がありますので、心配することなく使用できます。
- 光触媒塗装の塗り替えに使うことができる。
- エポキシ樹脂の強力な結合力で下地に浸透し、くさび効果で付着強度を向上します。
- 強靭な塗膜を形成することにより、下地の補強効果に優れています。
- 金属用の密着プライマーとして使用できるメーカーもある。
下塗り材を使用するデメリット(欠点)
- 下地が水性の場合は縮れや膨れの原因になる事がある。
- 価格が通常の下塗り材と比べて高い。
- 新しい状態の外壁には、直接塗れるものと塗れない物があるので注意が必要。
- 2液型なので、分量を量るなどの手間がかかる。