今回は、日本ペイント「ファインSi」と言う、高級品でもない、安価品でもない、中級グレードのシリコン塗料、弱溶剤型の2液型塗料をご紹介します。
(当サイトでは、現役の塗料屋さんによる正しい情報を発信しています。)
「ファインSi」の特徴
日本ペイント「ファインSi」の特徴としては、性能ランク的には水性シリコンの上、高級シリコン樹脂塗料の下と言った位置づけであり、価格的には弱溶剤ウレタン塗料の少し上です。
防藻、防カビと言った一般的な特徴に加え、低汚染の汚れをつきにくくする性能も付随しており、塗装面を綺麗に保つことができます。
透湿性の性能も持つことで、壁の内部が呼吸できるような塗料なので、結露しにくく、膨れや剥がれの原因を軽減できます。
耐久性としては、耐候形1種の耐候性を持っているので、長期的に色あせや艶引けを防ぐことができると思います。
この1種とはJIS規格で決められた試験において、艶が何パーセント残っているかで決められているものです。
「ファインSi」の評判
この日本ペイント「ファインSi」を使っている塗装屋さんの評判としてよく言われるのが、コスト的にそんなに高くないのに、塗った感じは艶も良いし、冬場の施工でも
乾きが良いので安心して使える。
コンクリートや、サイディング、鉄部など下地を選ばずに使うことができるので、これを現場にもって行けば、安心するといった評判でした。
「ファインSi」自体も、硬化剤を違うタイプに替えることで、弾性塗料にしたり、超低汚染効果を追加したりできるので汎用性に富んだ商品です。
最近のサイディングボードには、低汚染コートや、光触媒が施されている物が、リフォームで塗り替えする時に多く出てくるようになって来た事で、通常の下塗り剤では力不足になってきています。
見た目は通常のサイディングと変わらないので、塗装屋さんもわからない時が多いのです。
そう言う情報は、前もって打ち合わせしておくことで問題を防ぐことができ、光触媒などの、コーティングにも使える下塗りも発売されてきています。
心配ならそれを選んで貰う事も良いと思います。
ファインSiの欠点
この日本ペイントのファインSiの欠点や短所と言えば、どの様なことがあるかと言えば、やはり臭いの面があります。
弱溶剤塗料の分類なので、鼻を突くようなキツイ臭いはありませんが、閉め切っている部屋の中などで外から外気が入ってくる状況の場合は臭いがすることがあります。
小さなお子さんがいたり、臭いに敏感な人がいる場合は、注意したほうが良いかもしれません。
コストパフォーマンス的に大変優れた商品であり、性能も申し分ないこの「ファインSi」は外壁塗装のシリコン需要が高まるにつれ、需要も増えており、期待が大きい商品です。
塗料屋という立場から塗装屋さんにどのような塗料を勧めるのか。
それは使いやすいとか、1回塗りで仕上がるとか、そんなエンドユーザーの戸建ての持ち主が関係ない内容では、私は商品をすすめたりしていません。
塗りやすければ、手抜きもする人が出てくるだろうし、1回で仕上がってしまったら、標準で2回塗りの商品が1工程抜かれてしまうことも。
塗りにくくても、施主が安心して、長いお付き合いできるような塗料をおすすめしています。
金額的な物もあるので、安価品、標準品、高級品と色々勧めますが、工程を抜いたり、塗布量を少なくしたりしないでも良い様に、しっかりと施工してもらいたいです。
相見積もりを取ることは全然悪くないことです。しかし相見積もりで一番安い業者にお願いすることは少し待ったほうが良いかもしれません。
安いということは、何処かで経費を浮かせなければならないのですが、どこで浮かせるのかは、想像できると思います。
私は、相見積もりを取ったら二番目に安い又は真ん中の業者にお願いするようにいつも言っています。
ファインSiに似た商品と比較
性能が似ているような商品では、エスケー化研のクリーンマイルドシリコンや菊水化学のファインコートSi2あたりが同ランクの商品です。
2液で弱溶剤タイプのシリコン樹脂塗料で、容量の違いなどはありますが、どのメーカーも似たような性能をカタログに載せていますので、そこまで全然違うと言う事も無いです。
塗料メーカーは対象となるライバル商品を検査した結果を踏まえて自社商品を作る事が多いので、後発商品を選ぶことで古い商品よりは良くなっていることが多いです。
価格的なものもありますが、同価格帯であれば悩んでいるのならば、後者を選ぶと良いでしょう。
公共工事などでは高耐候性塗料塗りと言う仕様があり、それに使えるような基準の商品もこういったシリコン樹脂塗料に入っています。
通常の戸建て塗装も、良い商品を使って長持ちさせたいというお客様が増えてきたことで、今一番需要があるシリコン樹脂、そしてコストパフォーマンスも優れているのでおすすめしやすい塗料です。
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