スーパームキコートの評判や欠点について、塗料屋さんに詳しく解説してもらいました。
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驚異の耐久力、スーパームキコートの特徴
スーパームキコートの大きな特徴としては、塗膜の光沢が色あせしにくいと言う事ではないでしょうか。スーパームキコートのムキは無機を意味してます。
無機系の塗料というのは一般的に、ガラスみたいなものなので、光沢はなかなか落ちません。そのかわり長い年月をかけて塗膜にひびが入ることがあります。
この塗料、スーパームキコートは家の外壁の塗り替えに特化して作ってあります。塗りつぶしの色が付いた塗料ですので、高意匠サイディング(多彩模様)にはスーパームキコートクリヤーのタイプをおすすめします。
スーパームキコートは、下塗りが弱溶剤タイプといわれる弱い揮発性の低いシンナーで希釈するタイプと、水性の上塗りから構成されていて下塗りで密着を高めて上塗りで対候性を高める作りになっています。
メーカーのサイディング面の標準仕様は下塗り一回の上塗り一回の2工程になっておりますが、下地の状況や、色によっては上塗りが2回塗る必要も出てくるので注意が必要です。
実際のところは、下地が濃い色の場合は透けてしまったりと、綺麗に仕上がらなかったりするのです。下塗りを錆止めやプライマーに変更することで、鉄部や亜鉛メッキ面、コロニアル瓦などにも対応しています。
一般的に無機というのは、石やガラスなどの炭素を含んでいない無機物になるので、伸縮性、曲げなどには弱い傾向があるのですが、スーパームキコートは無機と有機の複合塗料なのでこれらにも対応しています。
本当の無機だけなら外壁の劣化より先に家の寿命が来てしまうほど持つのですが、とても固いので塗料としては使うことができません。そのために有機の物質を加えて塗料にしているのです。
スーパームキコートのメリット(良い点)
スーパームキコートのメリットは、やはり持ちが良いので、塗り替えのメンテナンスサイクルを伸ばすことができる事と、色あせがしにくいので、新品の状態を長期間保つことができる事ではないでしょうか。
色によっては色あせが早い場合もあります。淡い系統の色を選べば退色が遅いので、気になる場合はそういった色を選んだ方が良いかもしれません。
スーパームキコートのデメリット(欠点)
デメリットとしては、無機塗料という材質上、価格的な初期投資は割高になります。
このスーパームキコートと言われるような無機塗料は10年ほど前から出てきましたが、最初のころは、塗膜が固すぎて家の揺れや伸縮についてこれずに、ひびが入る商品が多かったのですが、有機と無機の複合塗料ではこの欠点も大幅に改善されたようで、色々なメーカーから無機の塗料やコーティング剤が販売しております。
価格的にはどのメーカーもまだ高く、皆が塗装したいと思う値段ではないかもしれませんが、長い目で見ればコストパフォーマンス的に優れた商品です。
このスーパームキコートをおすすめする外壁とは
一回の塗り替えで長持ちさせたいのであれば、スーパームキコートがおすすめです。無機という性質上、次の塗り替えまで10年以上期間を開けることができます。
逆に言えば10年以内では、塗り替えする事ができにくいです。なぜならば、無機はフッ素塗料と同じように上に塗料を乗せることが難しく、弾いてしまう可能性があるからです。なので、ある程度劣化してこないと塗り替える事はできません。
最近のサイディングには最初から無機のクリヤーが塗装してあったり、撥水処理が施されている商品などもあるので、それらはある程度の時間を空けないと同じことで塗装できません。
サイディングは元のクリヤー層が剥がれてきている状態で上塗りのクリヤーをかけても、中で紫外線などによる劣化が進んでしまうので、悪くなりすぎたサイディングなどは、交換する必要もあるのです。
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